僕の師匠スコット・ウィリアムズの特別クラスを開催した。
なんて素晴らしい時間だったのだろう。
参加したのは僕のWSの経験者で、つまり基礎的な技術を持つ人ばかりだから吸収も早かった。
テキストワークではスコットのサジェッションによって、
俳優の想像力が刺激され、俳優たちの演技が真実のある、中身の濃いものとなった。
スコットはあまり「ダメ出し」をしない。
俳優に変えたほうがいいところがあっても「それはダメ」といような言い方はせず、
良かったところを拾い上げ、「こうしてみたら?」という提案をして俳優をガイドしていく。
あるいは本人が考えて気付くように簡単な一言を伝える。
なんだか簡単なことのように思えるけれど、これは相当ハイレベルだ。
スコットの考え方については前に書いたブログのとおりだ。
ベースの考え方(信念)があるから、そういう教え方になるし、クラスの雰囲気もお互いに良い影響を与えられるようなポジティブなものになる。
Zoomでの、画面越しの演技であっても俳優たちは相手と十分やり取りできるし、
そのエネルギーは別の画面越しに見ている人にも伝わる。
参加者からのフィードバックもすごくポジティブなものばかりだった。
ひとつ残念なのは、通訳を介さないといけないのでスコットのおしゃべりがあまり聞けないこと。
ロンドンのクラスでは毎回おしゃべりで始まる。
面白かった舞台や映画の話、生徒の現場の話etc。
ブロードウェイミュージカルの歴史や逸話もちょいちょい挟まれた。YouTubeの面白動画の話もあったな。
まぁ「スコットはおしゃべりが長すぎる」という声は毎年どのクラスでもあるらしいが(笑)、
話好きな陽気なアメリカ人らしくクラスを楽しいものにしてくれた。
スコットも日本の俳優たちとのワークをまたやりたいと言っている。
そしてコロナが収まったら、日本に呼びたい!
とにかく、また開催します。
経験者向け以外にも初心向けのクラスも良いかもしれない。
日本の俳優たちがスコットのコーチングを受けられる機会が増えれば良いし、
それが俳優たちや演劇界の可能性をちょっとでも広げていくのなら価値のあることだ。