Celebration of Possibilities
2020年、コロナ禍によって活動自粛を余儀なくされた際に、創作活動を続けるため西村壮悟が立ち上げたユニット。
Zoomを使用したリーディング『音の世界』をYouTube生配信で画面越しの観客に届けた。
また、谷川俊太郎の詩『東京抒情』を題材にした短編映像作品『東京は隠すのが下手なポーカーフェース』を制作。
Celebration of Possibilities
という名前の由来
パフォーマンスとはつまり祝福である。たとえ一時の幻に過ぎなくても、私たちのなかには無限の可能性があるという事実への祝福だ。
ダニエル・デイ=ルイス
The thing about performance, even if it’s only an illusion, is that it is a celebration of the fact that we do contain within ourselves infinite possibilities.
Daniel Day-Lewis
何かユニット名を考えようとして思い浮かんだのが、
上記のパフォーマンスに関する名言です。
ロンドンのあるスタジオのロビーに、
スターたちの名言が書かれていて
数多くあるなかで
一番心に響いたのが、この言葉でした。
どんな人間にも可能性がある。
どんな状況下であっても。
パフォーマンス(舞台芸術やライブパフォーマンスだけで
なく、編集作業を経る映画等も含まれます)
つまり、人に何かをやって見せること自体が
その内容にかかわらず、私たち人間の可能性を祝う
行為であるということです。
私が演劇を作るにあたって、
この価値観を大切にしていきたいと思い、
言葉を借りました。
舞台芸術において多くの場合、虚構を扱いますが
その目に見えないものを共有できること自体が、
人間の持つ可能性を表しています。
舞台芸術は、2020年に新型コロナウィルスの感染が
拡がった際、最も早くに停止を余儀なくされた活動の一つ。
有事の際には真っ先に「不要不急」と
見なされてしまいます。
しかし、何かを作り上げ、人にやって見せて楽しんで
もらうこと、感じてもらうことが
人間の可能性をともに祝う行為であり、
人間性の発露であるならば
きっと私たちはどんなかたちでも、
その活動を止めることはないでしょうし
それを鑑賞することを止めはしないのではないでしょうか。
可能性を祝福する行為であるから
どんな作品づくりにおいても、
喜び/悦びを味わうことを忘れずに。
Celebration of Possibilities 西村壮悟
オンライン演劇リーディング『音の世界』
東京は隠すのが下手なポーカーフェース
【出演・撮影】 | 廣田明代 西村壮悟 小川結子 山森信太郎 瑚海みどり |
【撮影】 | 小川浩平 |
【演奏】 | 小川真也子 |
【編集】 | 西村有人 |
【監督】 | 西村壮悟 |
コロナ禍によって私たちの生活は大きく変容し、これまで見ていた街の景色が違って見える経験を、数多くの人がした。 それはあたかも一遍の詩が世界の見え方を変えるかのようだ。
今回の映像作品では、俳優自身が撮影をし、私的な東京の街を切り取っていった。
そのプロセスから浮かび上がってきたのは、死と再生を繰り返しながら大きな呼吸を続ける広大な街だった。