役作りをするとき「この役の生い立ちは・・・」と、その役の人生のなかで大きなイベントについて考えたり、ストーリーを書いたりするかもしれません。
役の身体的特徴などを考え、クセを取り入れたりも。
あるいはあるシーンの前に起こった(台本には直接書かれていない)ことについて考えて、そのシーンが始まる前の感情を作ろうとするかもしれません。
実はそういったことは、身体的なアプローチからもできます。
マイズナーテクニックの練習で、部屋の外に出て、ある感情を用意して部屋のなかに入ってくることをします。
その時に僕は俳優に、精神的なアプローチ(たとえば妄想したり、過去の出来事を思い出したり)以外に、身体的なアプローチもするように勧めます。
階段を駆け上がったり思い出の曲を聴く以外にも、有効な身体的なアプローチ、エクサイズはあるのです。
だけどそういったエクサイズは、欧米の演劇学校では基礎ではあっても日本の俳優のなかではまだまだ一般的ではなく、知らない人が多いと感じます。そもそも身体的な演技トレーニングに触れたことがない人が。
だけどなんとなく知っているはずです。
俳優にとって身体に耳をかたむけ、意図をもってコントロールすることは重要で、身体の状態が「心」にも大きく影響するし、身体という道具をもっと使えたほうが可能性が広がると。
今回あらたに開催するフィジカルクラスでは、あなたの身体を動かすことで、内面が変化することを実感してもらいます。
身体的エクサイズで変化した状態で、モノローグを喋ったり、他者と関わったり、リピテションをすることで新たな発見があるはずです。
俳優が身体をたよりに言葉や世界と関わるとき、頭で考えたものとは違う、その人自身も予想しなかった発見がきっとあるはずです。
台本から考えた役の目的も、身体を動かすことによってただのアイデアに終わらず身体に落とし込むことができます。
あともう一つ、身体的アプローチは過去の辛い経験を思い出したり、何か悲惨な動画を見たりするよりも、はるかに健全で再現性があります。
道具として手の内にあれば良いと思いませんか?
今回はリピテションと組み合わせたいので僕のWS経験者を対象にしますが、手ごたえがあれば一般に向けていきたいと考えています。
身体的なエクサイズをやったことがない人、全然OKです。
今から始めるのでも大丈夫。
可能性を広げてみましょう。