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12月マイズナーワークショップ集中コースのおしらせ

Workshops

8日間のワークショップで、
リピテションエクササイズを中心としたマイズナーテクニックのトレーニングに集中的に取り組み、
最終的に台本を使ったシーンワークで、このテクニックがどのように演技に活かせるかを探求します。

(リピテションエクササイズ:ペアになりパートナーを観察し、相手の挙動を言葉にし、お互いその言葉を繰り返す。単純な繰り返しにより思考を取り外し、本能と繋がった真実のある演技を目指すためのエクササイズ。スタニスラフスキーのアメリカでの弟子、サンフォード・マイズナーが考案した)

マイズナーテクニックのやり方も様々なのですが、私はロンドンのインパルスカンパニーでスコット・ウィリアムズ氏に学び、より安全な環境で、より純粋に相手を受けた演技でスリリングなシーンを作れると実感しました。
帰国後、日本でも同じ演技の言語を共有できる仲間が欲しいと思い、これまでワークショップを継続しています。

「このセリフでこうしたい」「上手いと思われたい」あるいは「こんなことをしては、いけないんじゃないか」といった考えを手放し、相手にフォーカスし衝動のままに正直に反応することで、相手に動かされる感覚を体感して、目の前にいる相手と今その瞬間関わることができる力をつけてもらいたいです。

マイズナーは演技を「与えられた状況下で真実のある状態で生きる技術」と定義しました。
そのために、演技の要素を分解し段階的に技術を積み上げていきます。
なので、いきなり「台本のシーンをやってみよう」とはしません。
まず、リピテションエクササイズや身体を使って関係をとるワークを通じて、
相手から受け取る力と、そこから生まれた衝動のままに反応する力を鍛えます。
そして「シーンを演じる」ために必要な要素を構築していきます。
土台となる技術を固めてから、台本読解は一番最後にやり、実際にシーンを演じます。



愛するにしろ憎むにしろ、他者に影響を与え合い関わるのは、
たとえそれが虚構のなかであっても勇気が要ることで、怖いことでもあります。
でもそこに踏み込み、俳優の心が本当に響き合っていれば、必ず観ている人の心を動かす美しい瞬間が生まれるはず。
未知に飛び込み、どこに行くか分からないということも含めて、一緒に楽しみましょう。

このワークショップを受けるメリット

  • ポジティブで安全な環境のなかで失敗や批判を気にせず、好奇心を持って積極的に挑戦することができる。
  • 集中的に取り組むことにより、マイズナーテクニックの技術を積み重ねていくことができる。
  • 頭で考えた演技や自分ひとりで作る演技・癖から脱却して、その瞬間瞬間で相手を受けた演技ができる。
  • リスクを取って、より相手に影響を与えることができるようになる。
  • 身体的なアプローチも取り入れることで、より衝動的に大胆に反応できる力がつく。
  • 学んだテクニックを実際にシーンを演じるのに使うことができる。

使用するテキストは葛藤がはっきりと描かれているシーンを使用します。
日本/海外の作品、日常的な現代口語演劇、ミュージカル、シェイクスピアなどの古典etc、この先どんなスタイルのお芝居をやっていくにしてもベースとなる技術を身につけていきます。

コロナウィルス感染防止対策を取りながらの開催です。

  1. 参加人数上限を通常時よりも減らします
  2. 検温を実施し、37.5℃以上の方は参加を見合わせていただきます。(外出前にも、検温していただきますようお願いします)
  3. 開始前に会場の消毒を実施し、参加者の方にも手指の消毒、手洗いにご協力いただきます
  4. 不織布マスクを常時着用といたします(お持ちでない方には配布いたします)
  5. 可能なかぎり常に換気をします(窓を開けておきますので寒くなることが予想されます)

そのほかにも、主催者が必要と見なした対策を実施する場合があります。
また、感染状況を鑑み開催することで参加者の感染する危険性が著しく高くなると判断した場合、開催を中止する可能性があります。

対象

俳優
マイズナーの経験がなくても大丈夫です。
新しいものを吸収し向上するために真摯にチャレンジする意志のある方。

日時

2021年12月

10日(金)10:15~17:00
13日(月)10:15~17:00
15日(水)10:15~17:00
17日(金)10:15~17:00
18日(土)10:15~17:00
20日(月)10:15~17:00
21日(火)10:15~17:00
23日(木)10:15~17:00
(計8日間)

NG、遅刻・早退は基本的に可といたします。オーディションや稽古、撮影と重なる等、事前にご相談ください。

会場

東京都23区内のスタジオ
(参加者にお知らせします)

参加費

30,000円

  1. 「リピテション割引」 1,000円引き
    これまでに西村壮悟によるマイズナーワークショップに参加したことがある「リピーター」の方対象
  2. 「早期割引き」 1,000円引き
    早割り。11月26日までに予約・参加費お支払い済みの方。リピテション割と併用可!
  3. 「U25割引」  2,7000円
    25歳以下の方

参加
お申し込み方法

メールにてお申し込み。

so5246ra@gmail.com まで、
件名を「集中コース参加申し込み」とし、本文に下記を明記のうえ、ご送信ください。

  1. お名前(ふりがな)
  2. ご年齢 (例)「30代中頃」等、だいたいでも結構です
  3. ご連絡先(電話番号とメールアドレス)
  4. (あれば)ご所属
  5. (もしあれば)期間中のNG、遅刻・早退
  6. マイズナーテクニック経験の有無(あれば、どこで習ったかも)
  7. 出演歴や養成所でのトレーニング等、主な経歴
  8. このWSを何で知ったか
  9. 上記の割引適応希望の方は、その旨お申し出ください。

その後、こちらから返信いたしますメール記載の銀行口座に参加費をお振り込みいただき、ご入金の確認が取れた時点で、ご参加が確定し、参加枠が確保されます。

メールのお申し込みだけでは確定とはなりません。お申し込み時に空きがあってもご入金まで間が空いてしまった場合、後から申し込まれた方が先にご入金され、枠が埋まってしまうこともありますのでご注意ください。

キャンセルポリシー
新型コロナウィルス感染症予防の観点から、キャンセル料を頂戴しません。
返金、または次回以降のWSの参加料にあてることができます。
ただし返金振込手数料は参加者様の負担とさせていただきますで、ご了承ください。
NG、早退・遅刻は基本的に可といたしますので、(シーンワークのペア決めのため)分かり次第ご連絡ください。

定員

10名 先着順

最少催行人数を6名とさせていただきます。参加希望者が6名に満たなかった場合は各日の時間を短縮、または開催をキャンセルさせていただく場合があります。

これまでのワークショップ参加者の感想

僕が何よりも収穫に感じたことは、リピテーションのワークの延長線上としてテキストに取り組むことができ、そしてその効果を強く感じることが出来たことでした。
相手役から入ってくる情報量が格段に上がり、そこから生まれる衝動にちゃんと気付く、そしてそれに従うことを自分に許す、
そうしても大丈夫なんだと知ることが出来ました。

ホリユウキ

稽古場に、利害関係がなく、萎縮したり威圧されたりが皆無で、もうどれくらい久しぶりにこんなに自分のためだけのレッスンを受けられてるか、、、思い出せないくらいです。うまくいかないことも恐れず、試す場所がもてて、ほんとにラッキーでした。

間瀬英正

『僕は、素直で良いのだ』
一番の収穫だと思います
人間の動物性(野生)を自身で認識し許せたとき、初めてコミュニケーションの根源、その入り口が開くんじゃないかなと感じました
本能的であればあるほど、行動と目的の核が自ずと拾えてくる
そこから人間性(社会性)をくっ付け始めて、生活の中に居るワタシに成っていくのかなと
時間がかかるけど、一切無駄が無い
技術に昇華されたとき、きっと物凄い速度でその過程をクリアし、戯曲の、生きた人としてアナタと対面できる気がしました

関淳平

自分の中の演劇の仕方みたいなものが、煮詰まったり凝り固まっていたと思うのですが、少しずつほぐれてきて良かったです。頭が強い人にほどおすすめしたくなるWSでした。
だんだんと心も身体も開放的になり、自分に嘘をつかなくなってきて、語彙も増えました。また、シーンをやる上で必要な準備(主に読解)がシンプルになって良かったです。

小川結子

濃密な時間を過ごせてとても楽しかったです。
撮影と被ってしまうこともあり、課題にしっかり取り組めるかどうか不安もあったのですが、逆に集中が増してとても身になる日々を過ごすことができました。
今まで台詞をこんな短期間で身に染み込ませられたのは初めてでした。
それはワークのやっていった順番が効果的だったことや、それを素直に受け止めてやることが出来たからだと思っています。
今まで様々な場所でやった事がやっと実を結んだ感覚を覚えました。自分の芝居の大きな指針にしていきます。

本多晴

シーンワークに関していえば、
結局考えていたことを手放してその場の衝動にかなり流された(そのあとのフィードバックで良いことだと指摘してもらいましたが、自分でもそう感じています。)のが非常に面白かったです。流されたけど、シーン理解を進めていたことと相手に任せていたことで、逆にアンカーが付いていた感覚というか。

三原一太



僕はどうしても芝居中自分を客観的に見過ぎてしまう癖があり怒りのシーンや悲しみのシーンがしているフリになってしまう傾向にありました。
それが今回、ダイアローグでもモノローグでも素直に心から思ったセリフを言うことが出来ました。
西村さんは教えると言うよりも一緒に考えてくれるタイプの方だったため自分で発見ししっかり噛み締めることが出来ました。

ー安童有都 『広すぎた檻』『虫篭』

辿っていったステップが有効だったのか、安心して参加できる環境・関係が育っていってか、いずれにしろ自分にとってフィットする構成、ファシリテーションだったようで、想像以上に自分の内面や体が素直に開いていってくれました。そうごさんが参加者の様子や、状況を丁寧に見ながら、適切なフィードバックや進行(案内人、というイメージなのですが)をじっくりとしてくださったからこそと思います。「頭で考えてしまう傾向がある」という自分自身の認識を超えて、「ちゃんと相手のことを聴き、感じて、自分の体や心が動いている。それによって言葉(セリフ)を発したり、動いたり(動かされる感覚)、しているな」と思える状態を経験できたことが驚きで、また、「決してできないわけではなくて、そのチャンネルをつなげていくことはできるのだな」と思うことができました。                

                                              ー田渕瀬那


マイズナーワークショップ講師プロフィール

西村壮悟 (にしむらそうご)
小劇場から商業演劇まで幅広く出演。文化庁新進芸術家海外研修制度で2017年から約一年間ロンドンに留学。
ジェレミー・ストックウェル氏、スコット・ウィリアムズ氏、木村早智氏に師事。2018年よりホスピタルシアタープロジェクトに参加し、主に障碍を持つ子どもと家族のための演劇を創作している。2020年は、オンライン演劇『音の世界』を演出、Kawai Project リーディング『リア王』に出演。エイベックス・アーティストアカデミー講師。2021年-2022年新国立劇場こつこつプロジェクト『テーバイ』に参加中。

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マイズナーテクニックで鍛えられることについて

自分でなく相手にフォーカスするメリットについて