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zoom本よむかいをやったところ、

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zoom本よむかいを開催した。

僕含め12人の参加。ご参加ありがとうございました。


これまでに何度かオンライン読みをやって、
「やれる。でも対面でないぶん相手から得る情報量が少ないし、マイクや画面越しだからどう言葉を伝えるか、ちゃんと考えないと物足りない。事前にある程度読んでやったら、どれくらい面白くなるだろう?」
と考え、
事前にテキストを読んでもらい、役も各自にだいたいの候補を伝えて臨んだ。
役をこちらで決めたのは、セッションの時間を効率良く使いたかったためでもある。
同時多発会話はオンライン会議だと難しい。
小グループに分けてそれぞれで話し合ってもらう機能もあるらしいが、まだそこまで使えてない。

「大袈裟になってもいいので、言葉で相手を動かせられるよう、意図を伝えられるかやってみましょう」
と意識してもらいたいことを最初にシェアしてから読んだ。


やってみたところ、
うん、画面越しでも意図は伝えられる。
相手の言葉をよく聞けば、よりやりやすい。
これは対面と、基本的には、同じだ。
むしろ、言葉にもっと特化してもいいかもしれない。
お互いの肉体が目の前にはないのだから、言葉を通してのみ関わることができる。
だから多少オーバーアクティングになろうと、説明っぽくなろうと、
自分の生理という小さな枠にとらわれず、言葉を使えばいい。
戯曲のスタイルにもよるが、言葉をどう言うかに拘ると良さそうだ。まぁそれはどう聞くかなんだけど。
(今回は三島由紀夫の短編だった。本は各自用意してもらいました)
僕は普段、マイズナーテクニックをWSで教えているのだけど、ナチュラリズムはもちろんリアリズムも、一旦脇に置いといていい。

同じテキストを繰り返しやれば、積み重ねていくこともできそうだ。
つまり、ある程度の稽古はできる。


インターネット回線なので、どうしても通信状況に依るという弱さはある。
音声が届くまでほんのわずか間ができる。
対面のときの感覚で、相手のセリフをちゃんと聞いてからセリフを言うと、
他の人には一拍遅れて喋りだしたように聞こえる。
ユニゾンだとか、タイミングを合わせるものは難しい。
ユニゾンのつもりが皆の音声がズレてエコーみたいになった。
手拍子を二人ですると、どちらかが裏になった。

ファシリテーション的には、
同時多発会話が難しいので、進行に時間が多めにかかった。(これは上記のとおり、機能を使いこなせばいくらか改善できるかも)
やはり対面ではないのでドライというか、心理的距離を縮めるのが難しい。
初対面の人同士が多い場合や、参加者数が多くなれば特にそうなると思う。
やり取りが、ファシリテーター/講師⇔参加者/生徒みたいに、レッスンや講義のような場合はそれでもいいのかもしれない。


人と会って芝居をできない今だから、この際、セリフをもっともっと練習するのもいいかもしれない。
最近、YouTubeなどで朗読を始めた俳優を僕も幾人か知っている。
セリフ術と言ったら
「テクニック?」
と眉をひそめる人もいるかもしれないが、
セリフが上手くなるためには、戯曲全体とシーンと役のことを理解する必要があるし、
言葉とそのイメージに敏感でないといけない。
そのうえで、それを表現する技術が必要。簡単じゃない。


オンライン会議システムを使った演劇は、
反対に、ごくごく日常的な会話劇も合うかもしれない。
実際にオンライン会議を題材にした映像を先日見た。
とても日常的な分、どうしても残る作為的なところが気になってしまったが。


色々と機能があるので、上手い使い方を見つけられるといい。あまり考えずに遊んでたら、何か発見しちゃうかもしれない。


演劇が、
演劇人が、
劇場が、
観客さえも、
生き残るか潰れるか、
あるいは文字通り、死んでしまうかも分からない。

めぼしい補償もなく、欧米のようなロックダウンもせず、決断できず、人々の移動を2割まで抑えられずズルズルと感染拡大が続けば、これがいつまで続くかも分からない。

「これ」と言ったが現在の「これ」よりも、この先悪くなる確率のほうが高そうだ。

先の見通しが立てられないのが、
政府がどういう科学的根拠に基づいて見通しを立てているのか、
そもそも見通しを持っているのかさえも分からないのが、
精神的にきつい。

だから、そんななかで、
何とかカニカマでもいいから演劇を続けよう、
演劇で食いつなぐ方法を見つけよう
と皆必死になって、新しい池のなかで適応しようとしている。
だから、こんな風に「やってみたらこういう感じ」と、経験をシェアしようとしている人も多い。

でも、もしかしたら、
焦らないほうがいいのかもしれない。
いつまで続くか分からないのだから。
血眼になってもがいて泳ぎ狂っていると、早くバテてしまう。
僕も苦手なんだけど、静けさに耳を澄ましてみるのもいいのかもしれない。



写真は昨夜、一人三役でオンライン読みテストをしていた図。
zoomの機能を確認しながら。12人も参加するから、どうファシリテーションするのがいいかと思って。
セキュリティ問題もあるから、PC、タブレット、スマホとどう違うかもチェック。
このあと、旅行写真をバーチャル背景にするのをひとしきり楽しんだ。
おかげで寝不足。
よくないな。

みなさんもお身体だいじに。