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スコット・ウィリアムズの特別WS 2025

Workshops

マイズナーテクニック講師・スコット・ウィリアムズの特別WSを2025年も開催します!

スコット・ウィリアムズは1970年代後半にサンフォード・マイズナーから直接学び、テクニックの起源に近い、経験豊かな、イギリスを代表する俳優指導者です。
ロンドンを拠点として、現在もパリ、NY、イスタンブール、香港、オーストラリア、など、世界各地で様々なバックグラウンドを持つ俳優を教えており、演出家としても数多くの作品をを手がけてきました。

サンフォード・マイズナーと並んでスコットが大きな影響を受けた指導者は、アメリカン・レパートリーシアターのウィリアム・ボールです。スコットは、ウィリアム・ボールのポジティブな「Yes, and」の精神と、全員がグループに貢献できるという考えを受け継いでいます。

スコットは俳優から何かを引き出すために追い込むタイプの指導者や、自分の求める「答え」に俳優を近づけさせていこうとするタイプの指導者とは正反対で、
俳優の持っている力を信じ、俳優自身に探求をさせ、個々のチャレンジ精神と想像力を刺激することができます。
スコットの稽古場は常にポジティブで温かく、そのなかで俳優たちは、自身の可能性を広げるためにどこまでもチャレンジすることができ、技術を磨くことができるのです。

技術面では、20世紀に作られたマイズナーテクニックの本質を大切にして、21世紀の俳優にフィットしたテクニックに改良してきました。より柔軟で現場に適応させやすい演技可能な道具にして、方法論も分かりやすく解説しながら俳優に手渡します。また、スコットの豊富な演劇知・映画知に触れるのも参加する俳優にとっては大きな栄養となります。演技への愛情と喜びを再発見できるワークショップになるはずです。

今回も参加枠だけでなく見学枠も設けています。演出家や指導者の方たちにもぜひおすすめいたします。
スコットがどのようにトレーニングの場と時間を構成し、どのように技術を伝えていくのか、どのように俳優に接するのかを見ることで得られるものがきっとあるはずです。

今回のワークショップではもちろん通訳があります。スコットからマイズナーテクニックを直接学んだ、ロンドンで活躍する経験豊かな俳優・久保田恵さんが、参加者の皆さんが分かりやすいように言葉を伝えます。(講師との会話は英語を使用していただいて結構ですが、ワークでは基本的に日本語を使用します)


これまで2021年、2022年と日本人の俳優を対象にオンラインWSを、2023年と2024年には対面でのワークショップを開催してきました。
スコットのガイドのもと、マイズナーテクニックが初めての俳優も経験のある俳優も、意識を相手に向け、互いに呼応して変化する様が見られました。俳優が自身の衝動の未知数さと可能性に驚き、俳優同士の心が共振して見ている者の心を動かす美しい瞬間がいくつもありました。




スコット・ウィリアムズのワークショップ・コーチングを受けた人の声


「スコットはマイズナーテクニックがどういうものか、歴史を含めて紹介してくれるのでとてもわかりやすく、俳優という生き物が陥りがちな思考や行動も明確な言葉で説明してくれ、自分の頭の中が整理されて演技に対する考えがシンプルになりました。そして何より、相手(外部)と繋がることが面白くて刺激的で、それが唯一の瞬間を生きる方法なのだと体感しました。」
ー浅野令子(「無頼の女房」「デカローグ」「レオポルトシュタット」)

「WSのあの時間のことを思い返してみると、僕は何度も椅子に座りながら天(井)を見上げていました。それはスコットの言葉に深い納得を覚えた時、あるいはスコットの話によって演劇・演技の道の果てしなさを感じた時に、僕の身体に起こった反応でした。それぐらいスコットの話やコメントというのは僕にとって刺激的でした。スコットの観察眼の鋭さ、コメントの深さ、持っているエピソードの豊富さが凄まじく、それによって自分の理解が一段も二段も深くなる感覚がありました。このことによっていつも以上に自分以外のチームがワークしている時間が興味深くなりました。スコットの言葉を一緒に聞いた皆は一体どんなチャレンジをするだろう、それに対してスコットはどんなコメントをするのだろう、と。そして今考えるとそんな風に感じていた人がいっぱいいたからこそ(もちろんその大前提としてスコットが作り出すWSの場が安全で、なおかつ無駄な緊張を強いるものではないからこそ)、drop-inの時にスコットが話していたようにクラス全体の潮が上がっていくことが出来たのかなと思います。」
ーホリユウキ(「ジュリアス・シーザー」「温室の前」)

❝I did extra training while I was filming Hustle. I’d finish a six-hour acting day then train with Scott for 3 hours on a Friday and six hours on a Saturday. He reinvigorated my love for acting.❞
(『Hustle』を撮っている期間、金曜は6時間撮影してからスコットとのトレーニングが3時間、土曜には6時間だった。彼のおかげで演技への愛が整った。)
ーJaime Murray (Hustle, Dexter, The Originals, Once Upon a Time)

❝Working with Scott opened the door again for me. It rebooted me, gave me energy and the desire to go forward.❞
(スコットとのトレーニングは扉を再び開けてくれた。再起動されたみたいに、エナジーと前進したいという欲求を与えてくれた。)
ーJake Wood (Eastenders, Vera Drake, The Illusionist)

❝I had been acting for ten years but was never really confident in my ability. Whilst on Scott’s workshop, I swiftly learned about using a true technique and craft which has now given me all the tools I need as an actor to go on and perform at the highest level. I highly recommend working with Scott Williams.❞
(それまで10年演技をしてきて自分の能力に自信を持てなかったけど、スコットのWSで、本当の技術というものを素早く吸収することができた。俳優として質の高いレベルで演技をするうえで、そしてこの仕事を続けていくうえで必要な全ての道具を与えてくれた。スコット・ウィリアムズに学ぶことを強くお薦めする。)
ーMichael Budd Actor/Director/Producer

❝Scott Williams is the best acting teacher I have ever had. He creates a safe and supportive environment in which you can grow your skills. Training with The Impulse Company not only changed the depth of my work, but it made me an overall better human.❞
(スコット・ウィリアムズは私が出会ったなかで一番の俳優指導者だ。安全で温かく支えてくれるような環境を作り出してくれて、そのなかで俳優は自分の技術を伸ばすことができる。インパルスカンパニーでのトレーニングは、私を俳優としてだけではなく、人としてより良くしてくれた。)
ーKat Lozano, Actor

❝Scott Williams’ approach to acting totally changed my concept of what it is to act. I was for the first time able to let go of a number of ‘techniques’ I believed I needed and was able to simply deal with the given moment and respond to it truthfully.❞
(スコット・ウィリアムズの演技へのアプローチは私の演技に対する考えを完全に変えた。私は初めて、それまで必要だと信じていたいくつもの「演技術」を手放すことができた。そしてその瞬間に集中し、真実をもって反応することができた。)
ーSam Smith, Actor




2025年開催するのはこの4つのクラス

① Introducing to Impulse (基礎クラス)

マイズナーテクニックに触れてみたい、基礎からしっかりやりたいという方のクラスです。(マイズナーテクニック未経験者・経験者ともに参加できます)
5日間のWSで俳優に必要不可欠な演技の要素を探究します。
「Living truthfully」「The Given Set of Circumstances」「A State of Aliveness」など、スコット・ウィリアムズの教えるマイズナーテクニックの重要な要素をカバーするので、まさに「5日間の短期集中クラス」といった内容です。
経験者であっても、アイデアと衝動の違いや、手癖ではなく衝動で動くことを捉えるために、受講をおすすめできる内容です。マイズナーテクニックの原則を徹底するこのクラスは、あなたの今後の演技の指針になるはずです。

日時

6月23日(月)~27日(金) 全5日間
10:00~17:00(休憩あり)

会場

都内のスタジオ

参加費

¥60,000

対象

⚫︎俳優
⚫︎全日程参加できる方
上記の条件を満たす方から選考をします(先着順ではありません)

※申し込み締め切り:6月2日
そこから選考をして、6月6日までに参加可否のご連絡をします。

締切日の時点で空きがある場合はそれ以降も申し込みを受け付けます

参加お申し込み

以下のフォームからお申し込みください
https://forms.gle/2UFDrgyzF74maVEU9


② Play-in-a-Week 

5日間のWSで有名戯曲に集中的に取り組む、マイズナーテクニックをベースにした実践的な芝居作りです。
作家によって書かれた、役の置かれている状況を誤読せずに読み取り、役のニードをどのように掴み取るか。そしてテクニックをどのように実際のシーンに使っていくか。俳優たちとスコットで、作品・シーンを作ります。
最終日には「Not-a-Performance」としてお客さんを招いて発表をします。
「50%はコーチとして、もう50%は作品を作る時のように演出家として」とスコットが言うように、参加者の方は個人での準備も多くなるため、Text Analysisまでの確かな技術が必要になります。(台詞を覚える必要はありません)

日時

6月30日(月)~7月4日(金) 全5日間
10:00~17:00(休憩あり)

会場

都内のスタジオ

参加費

¥55,000

対象

以下の条件を満たしている方から選考をします(先着順ではありません)
⚫︎以下のいずれかのWSを受講した方
・2023年〜2025年のスコット・ウィリアムズWS
・2024年9月以降のマイズナーワークショップ集中コース、あるいは 4 months intensiveコース

⚫︎全日程参加できる方

※申し込み締め切り:6月2日
そこから選考をして、6月6日までに参加可否のご連絡をします。

締切日の時点で空きがある場合はそれ以降も申し込みを受け付けます

参加お申し込み

以下のフォームからお申し込みください
https://forms.gle/ARxbdhYGchWC87TT8


③ Drop-in (リピテションをするクラス)

リピテションをするクラスです。
様々なキャリアの相手とリピテションをすることで、俳優として欠かせない「相手を観察し衝動のままに反応する技術」を磨き、俳優として良いコンディションを作ることができます。「何でも起こりうる」という可能性のなかで、その瞬間瞬間目の前の相手と関わるリピテションは、あなたを俳優として反応できる状態にして俳優としての集中力・観察力・瞬発力・直感・self permmision・大胆さ・エネルギーを高めます。
「Drop-in」ですが人数に限りがあるので予約制とします。

日時

6月28日(土)
14:00~17:00

会場

都内のスタジオ

参加費

¥4,000

対象

以下の条件を満たす方から選考をします(先着順ではありません)
以下のいずれかのWS経験者
・スコット・ウィリアムズWS
・マイズナーワークショップ
(※前回のご参加から間が長く空いている場合は、恐れ入りますが、ご参加をお断りする可能性がありますのでご了承ください)

※申し込み締め切り:6月12日
そこから選考をして、6月15日までに参加可否のご連絡をします。

締切日の時点で空きがある場合はそれ以降も申し込みを受け付けます

参加お申し込み

以下のフォームからお申し込みください
https://forms.gle/MwkSDXCtPkcwBHFQ8

④ Seminar(講義)

講義のあとのDrop-in(14:00~17:00)を見学することができます。演出家・監督や演技を教える人にもおすすめです。

日時

6月28日(土)
11:00〜13:00(若干早めに終わる場合があります)

会場

都内のスタジオ

参加費

¥3,000

対象

マイズナーテクニックに興味のある方
(先着順)

参加お申し込み

以下のフォームからお申し込みください
https://forms.gle/W5epYnr7vkHm9CQm9

それぞれのクラスの定員

定員

①Introducing to Impulse: 14名程度
②Play-in-a-Week: 8〜10名程度
③Drop-in:15名程度
④Seminar:30名程度

お申し込みの流れ

ご参加の連絡でお伝えする振り込み先にご入金の確認が取れ次第、エントリー完了となります。
参加費お支払い期日までに参加費ご入金の確認が取れない場合は、大変恐縮ですが次の方にご参加のご案内をさせていただきますので何卒ご了承をお願いいたします。

キャンセルポリシー
・万が一キャンセルをされる場合、事務手数料として¥1000差し引いて返金いたします。

なお、以下の日程から以下のキャンセル料を頂戴します。
①Introducing to Impulse
・ご参加連絡の翌日以降 参加費の30%
・6月16日以降 参加費の50%
・6月21日以降 参加費の100%

②Play-in-a-Week
・ご参加連絡の翌日以降 参加費の30%
・6月16日以降 参加費の50%
・6月23日以降 参加費の100%

③Drop-in
・ご参加連絡の翌日以降 参加費の50%
・6月26日以降 参加費の100%

④Seminar
・6月26日以降 参加費の100%

見学

【見学可能です!】
①Introducing to Impulse
②Play-in-a-Week は
各回数名ずつ見学を受け入れます。

マイズナーワークショップ未参加者、マイズナーテクニック未経験でも見学可能です。
演出家・監督や演技を教える人にもおすすめです。

見学料 ¥4,000/1回 
※事前払い。こちらは申し込み後、参加費のお支払いの確認が取れた順番です。

https://forms.gle/dJSyxoB6Zj3kq6Bz8

からお申込みください。

※キャンセルポリシーはWS参加と同様です

オープンな心と好奇心のある皆さんの参加を待ってます!

スコット・ウィリアムズ

アメリカ・サンフランシスコ出身。15歳で演技指導を始め、17歳で子ども劇場の演出家として仕事をする。アメリカを代表する演出家ウィリアム・ボール率いるアメリカン・コンサバトリーシアターで演技を学んだのちNYに移り、ネイバーフッド・プレイハウスでサンフォード・マイズナーからマイズナー・テクニックを直接学ぶ。サンフランシスコ州立大学で英文学の学士、劇文学の修士を取得。
学業のかたわらフットヒル大学演劇科で演出家として働き、また1988年からはヒルバーンシアターの芸術監督として「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」「桜の園」「武器と人」「タルチュフ」「私生活」「危険な関係」「アマデウス」「エレファントマン」「ダイルルMを廻せ!」「キスへのプレリュード」など幾つもの作品を作る。同時に外部でも精力的に演出し、Tokyo Theatre for Childrenでは青山円形劇場で演出をする。
1996年に拠点をロンドンに移しThe Impulse Companyを設立。アクターズセンターをはじめイギリス中で教える。近年はNYの劇作家スチュアート・スペンサーのアソシエイトとして「Resident Alien」「Alabaster City」「Painted From Memory」を演出。スコットは他分野でも精力的で、作曲やラジオ・テレビ番組の演出や著述もしている。また、アメリカ赤十字社、Theatre Bay Area、 Directors Guild of Great Britainなどの委員も務めている。イギリス以外にもアメリカ、オーストラリア、香港、パリ、イスタンブールなどで定期的に教える。
スコットとThe Impulse Companyはウィリアム・ボールとサンフォード・マイズナーの方法論と考えを合わせて、新しい時代のための俳優教育とレパートリーシステムを創造することを目指している。
https://www.impulsecompany.org/


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