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出張ワークショップをしてきました

先日、俳優座の公演『セチュアンの善人』の稽古場で、2日間のワークショップをしてきました。

集中コースに以前参加した方からの紹介で、演出家の田中壮太郎さんからご連絡をいただき、出演者の方々に向けてマイズナーテクニックの基礎となるワークをやらせていただきました。

今回は劇団員の方以外にも桐朋学園芸術短期大学の学生さんがたくさんいて(劇団俳優座創立80周年、俳優座劇場創立70周年、桐朋学園芸術60周年記念事業)、出演者だけでも総勢40名近い大所帯。今回はそのうちの10名の方へのワークショップ。それ以外の出演者の方も大勢見学。

前提として、どういう演技観のためのワークなのかを共有することは大事なので、そこから説明をしていきましたが、中には大ベテランの方も見ているなかで「演技とは」を喋るのはさすがに緊張しました。劇団員の方も学生の方も本来は午後からの稽古開始なのに朝から稽古場に来て、どういうことをするのか興味をもって見てくださっているのでこちらも身が引き締まります。

稽古の合間という忙しいスケジュールのなかで出演者の方にとっては大変だったと思いますが、ワークのなかでも徐々にその人らしさが見えてきて、見ている方としてもワクワクさせられました。短時間だったのでテクニックによって劇的に演技が変わるということではなかったとしても、あらためて演技の大事な要素である「目の前の相手を見る・聞く」「反応する」「今この瞬間にフォーカスする」ことを、好奇心と喜びを持って取り組んでいただければという思いでした。
「良い影響があった」「ワークショップから変わっていった」という感想もいただけて、大変ありがたかったです。

もうひとつ嬉しかったのは、稽古場で再会があったこと。

まずは俳優座劇団員・出演者の小林亜美さん。2014年〜15年の『ZERO HOUR』の稽古と北米ツアー・京都公演でご一緒した仲。何年ぶりに再会して、演技をしているところを見て「やっぱおもろい人、いい役者だ」と。
もう一人は、振付として参加の宮河愛一郎さん。数年前にワークショップに参加していただきました。最近は本当に色んなプロダクションに出演・振付していてしょっちゅう名前を見る大活躍。
あと、顔を合わせてはいないけど宣伝美術では藤尾勘太郎さん。彼とも何年も前になるけど共演したし、ワークショップに参加もしていただいた。引っ張りだこの彼のチラシもあちこちで目にします。

また、個人的には、自分が上京するときにどこの養成所・事務所のオーディションを受けようかと分厚い年鑑のようなものを買ったとき(その頃はまだスマホもないし、家にPCもありません)、一番最初のページにあったのは俳優座で、主な所属俳優として顔と名前が載っていたのが、田中壮太郎さんでした。当時若手ながら紹介されていたこと、米国の大学を卒業されたこと、名前に同じ漢字があることから、とても記憶に残っていていました。
そんな方から声をかけていただき、伝統ある劇団で仕事をさせていただくのは、本当に有り難い経験でした。