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逆向きのサイクル

年をまたいで開催した9日間の集中コースが終わった。

今回はほぼ初めてマイズナーをやるという人が多かったけど、徐々にそれぞれの個性が見えてきた。
そうなると相互作用が起きはじめる。
誰かが失敗やジャッジメントを恐れずに素直な自分を出すと、それが一緒にエクササイズをしている相手や見ている人に影響を与える。
誰かがGOサインを出すと、他の人ももう一歩踏み出す。

今回のWSで話をしていて、あらためて思ったのは、
逆のサイクルを作ろうとしているのだということだ。

俳優が陥りがちなのが、やろうとしすぎて目の前の相手や状況を見るのを忘れること。
与えようとしすぎて受け取る余裕をなくしてしまうこと。
台詞をいかに言うかにばかり意識がいってしまうこと。
自分がどう評価されるか、上手くできているかが気になって意識が自分へ向いてしまうこと。

WSでは、その逆をやろうということを言っている。

まず目の前の相手や状況を見てから、やる。
受け取ってから与える。
自分が正しくできるかは置いといて、意識は相手に向ける。

「そんなに自分一人で頑張らないでいいよ」ということかもしれない。

演技が相手やその場に合わせたものになるから、ちゃんとつながりがるように見える。
その物語の状況のなかで生きているように見える。
作為がないから自然になるし、観客も見たくなる。
観客が背景を想像する余白が生まれる。

人によっては、それまで主にやっていたのとは全く違う順番になるから、
自分のよく知ってる方法を手放す勇気がいるかもしれない。