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WSハラスメント防止ガイドライン改訂・指定相談窓口を設置しました

これまでも参加者の方からのフィードバックや見直しで、ガイドラインを改訂してきました。

今回、ガイドラインの懸案事項だった「苦情対応の責任者が自分なので、もしも講師・主催者である自分自身によるハラスメント加害があった場合、参加者がそれを苦情申し立てしにくい。また、公正な対応がなされにくい」という問題を改善するために(要するに、ガイドラインを作ったけど、もしも問題が起きた場合に解決するのが自分で他にいないというのは不十分で説得力にも欠ける)、
外部指定相談窓口として「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」(以下「なくす会」)にご協力をお願いしました。
「なくす会」はハラスメント被害相談・支援、実態調査、啓発活動を通じて、声を上げにくい被害を受けた方をサポートし、表現に関わる場が誰にとっても活動しやすいものになるよう務めてきました。
相談窓口として適切で、万が一僕が何らかの間違いを起こしてしまった場合に(当然そうならないよう努めますが)ちゃんと対応ができるので主催者として考えたとき心強いです。

ハラスメント防止ガイドラインは今やWS参加者募集記事を掲載するウェブサイトでも必須事項となっていますが、形だけのものも多く見受けられます。「どっかのをコピペしただけね」というものも。
そんなのは問題外ですが、ガイドラインを作っても、それを守るためにどうするか具体的にどう方策を取っているかが大事なので、僕ひとりでやっているWSではそこがネックでした。

僕が気をつけているつもりでも、考えや知識が足りないばかりに誰かを傷つけてしまうような言動をしたり、配慮が足りずに参加者にとって安全でない瞬間があるかもしれません。
リスクをないことにするのではなく、リスクがある前提で対策を講じていったほうが、協力をお願いできるところはしながら、やっていったほうが誰にとっても良いと思うのです。(正しい知識を持つために勉強もしながら)

ガイドラインは今後も適宜見直しと改訂を行っていきます。

個人で細々やっているWSで、今回のことも「取り組み」と言えるほどのことでもありませんが、
より良い創作の場を作る意識の向上に、少しでも繋がっていけばと願っています。

以下に改訂したガイドラインを記載します。(8月集中コースの募集記事には掲載しています。また、WSの参加者には事前案内のメールでお知らせしています)

【ハラスメント防止ガイドライン】

西村壮悟および、西村壮悟が主催するマイズナーワークショップはあらゆるハラスメント、特定の属性を持つ個人や集団を対象にした差別的発言・行動に反対します。

「共に創作をする、あるいは共に演技トレーニングをする仲間の存在価値を認め、敬意を払う」という価値観を最重要視します。

まず、当ワークショップで行うマイズナーテクニックは主となるリピテションエクサイズが「そのとき相手から受けた刺激によって生じた衝動のままに反応する」ものである特性上、身体接触を全て禁止とすることは、演技トレーニングとしての効果を損なうため、しません。
健全なトレーニングを逸脱することを起こさないために、まず上記の価値観を参加者の方にも周知するとともに、参加者が安全に取り組めるようにルールを設定します。

【ワークショップが安全で健全に進行されるよう以下の対策をとります】
全ての参加者が心理的に安全と感じられるような環境を作るようにします。

具体的には、
・ワークショップ内で行うエクササイズは参加者個人のセクシュアリティ・年齢・経験等に配慮して進行します。また、上記のような参加者個人の属性に基づいた差別をしません。
・エクササイズの意図やルールを説明します。
・講師は参加者に対して暴言や暴力、恫喝、強要、威圧的な態度、無視等の行為をとりません。身体的な接触は指導のために必要な場合だけ、社会通念上適切な箇所にのみ行います。
また、リピテションエクサイズにおいても、その他のエクサイズにおいても、身体接触がある場合は事前に説明をします。(基本的に講師は参加者に許可をとってから身体に触れますが、緊急の場合は許可をとらずに参加者の身体に触れて止める場合があります。例:参加者同士の意図しない危険な接触や怪我を避ける場合)
・エクササイズの内容に不安がある場合、参加者はそのエクササイズへの参加を拒否することができます。また、講師は参加者の意見に合わせてエクササイズのルールを変更する等の対応を努力します。
・参加者の方に性的表現や不必要な身体的接触を要求したり、あるいはプライベートな事柄を開示するよう要求することはしません。
・台本を扱う際、性的表現や身体的接触、あるいは暴力が書かれているような場合、それを実行するよう求めることはしません。
・エクササイズに対してのフィードバックや感想など意見交換をうながし、どの参加者も発言の機会が得られるようにします。
・参加者にも他の参加者や講師に対するハラスメント、ヘイトスピーチや暴言、暴力等の不適切な行為を控えていただくようお願いします。万が一上記のような行為があった場合には、ワークショップを進行する講師として断固とした対応をとります。場合によってはその方の参加をお断りし、退室していただくことがあります。
・万が一、参加者間でエクサイズを逸脱するようなハラスメント行為が生じた場合、講師および主催者は迅速かつ正確に事実関係を確認し、被害者に対して適切な配慮の措置をとります。また加害者に対しても適正な措置をとるとともに、再発防止のために必要な措置を講じます。

・参加者からいただいた連絡先へ、ワークショップの告知以外で連絡を取ることはしません。
・参加者から進行に関してご意見や苦情をいただいた場合には速やかに対応をとります。
・このガイドラインは、随時ふり返りを行い、必要に応じて改訂していきます。

・ワークショップに関する苦情は講師にお伝えいただくか、または下記の指定相談窓口にご連絡ください。

【指定相談窓口】

演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会

メールアドレス:helpsekuhara@gmail.com
HP:http://nosekuhara.com/